こんばんは、苫小牧市で土地家屋調査士業をしております松本です。
本日は、分筆測量の費用について書きます。
分筆測量(1つの土地を2つ若しくは複数に分ける)のお見積りを掲示させて頂く際に実際にあったお話です。
お客様は「この土地は全て境界標も入っているし分筆の石も1本入れるだけなので3万くらいでできるのかい?」と仰いました。
続けて「以前に違う業者に頼んだときは1本3万くらいだったと記憶している」と仰いました。(以前の分筆を依頼したのは30年以上前)
現地に穴を掘って長さ60㎝のコンクリート標を埋めるだけでしたら確かに3万円でお釣りがくる作業かと思います。
ですが実際にはどれだけの作業が必要なのか、
- 見積作成の為に現地で境界標を探索
- 見積作成
- 資料調査(ときには20枚以上地積測量図を調査する場合も)
- 隣接地挨拶
- 基準点測量(街区に設置されている基準点から測量を開始します、遠いときは数百メートル~1㎞以上離れたところから測量します)
- 境界測量(測量地を含む区画一体の境界標を探索して実測します、30本~50本程)
- 計算・精査、画地調整図作成(数時間で終わる場合もありますが、数日を要することもあります)
- 現地にて仮杭設置
- 隣接所有者立会(会えないときは何度も訪問します、遠方の場合は資料を郵送、不在地主の場合は聞込みや資料を調査して所有者を可能な範囲で探します)
- 境界標埋設
- 登記申請書関連の作成準備、申請
- 登記完了後、成果品簿冊の作成
ざっくりですが上記の作業が必要となります。
測量地の境界標が全て入っていても正しい位置に入っていない、ズレている場合は隣接所有者に確認してもらい承諾を得て正しい位置に直す必要があります。
隣接地の面積や辺長が確保されていることも確認する必要があります。
測量するのには当然高額な測量機器や計算ソフトが必要となりますし、測量スタッフさんの人件費も当然発生します。
30年も昔ですと現行法とは違い分筆する部分だけ測量すればよかったそうですので費用も今よりは大分抑えられたのでしょうが、現行法では測量地のみならず、同一区画内の
境界標も測量して面積等をチェックしなければいけません。分筆する部分だけ境界標を埋設するのではなく測量地の外郭を確定し正しく直さないと分筆の境界標を埋設できません。
30年前とは当然物価も違います。
現代では分筆の境界標を1本3万円で入れるのは到底不可能なのです。
お客様には可能な範囲でどうして測量費用が高額になってしまうのか説明させて頂きますが、全てを事細かく説明するのは難しいですよね。
それでも弊社では極力お客様のご要望やご都合に添えられる様(測量費用を抑える様)に各工程で工夫しております。
分筆する場合に限らず、土地の境界の測量には上記事情があり測量地だけ測ればいい訳ではないのでどうしてもそれなりの費用を要します。
我々の努力で抑えられる部分は抑え極力適正価格で業務をさせて頂いておりますがご理解頂きたい測量費用のお話でした。
苫小牧市山手町二丁目13番15号
松本土地家屋調査士事務所
松本境界測量合同会社
代表社員・土地家屋調査士 松本 将太
業務内容
・無料境界調査(境界標が不明な場合まずはご相談ください、探します!)
・境界確定測量(土地の境界が不明なとき)
・土地分筆登記(1筆の土地を複数の土地に分けたいとき)
・土地合筆登記(複数の土地を1筆の土地にまとめたいとき)
・現況測量(土地の面積が知りたいとき・越境物調査)
・土地地目変更登記(土地の利用目的が変わったとき)
・建物表題登記(建物を新築したとき)
・建物表題部変更登記(建物の床面積や種類・構造・所在に変更が生じたとき)
・建物滅失登記(建物を取り壊したとき)
・その他表示に関する登記全般
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