こんばんは、苫小牧の松本土地家屋調査士事務所です。
タイトルの答えはページ下部に記載しております。
今日は土地の「地目」について少しお話したいと思います。
まず、土地の「地目」ってなんぞや?ってことですよね。
以前にも少~しだけお話させて頂きましたが、土地の「地目」の説明をする前に土地の登記記録のことをちょっとだけ説明させて頂く必要があります。
不動産、いわゆる土地と建物には登記記録というものが存在します、ここでは「登記」がなんなのかは割愛します。
ここでは個々の不動産の「名義」くらいのイメージで結構です。
この不動産の登記記録は「表題部」と「権利部」に大別され、表題部にはその不動産の位置・形・大きさ・種類等が記載され、権利部にはその不動産が誰の物なのかが記載されています。
車の車検証を見ますと、上部の方に「自動車の種別」「車体の形状」「車両重量」その他、長さ、幅、高さ等が記載されています。
この部分が登記記録でいうところの「表題部」ですね。
そして車検証の下部には「所有者の氏名・名称」が記載されていますね、ここが登記記録でいうところの「権利部」と、そう考えて頂いて結構です。
さて、土地の登記記録の表題部には、
- 土地の所在
- 地番
- 地目
- 地積
などが記載されています。
この中から本日は「地目ってなぁに」について触れていきます。
「地目」は分かりやすくいうとその土地の現況の利用目的に応じた「種類」ということになります。
お山ですと「山林」
田んぼですと「田」
建物の敷地ですと「宅地」
と、まぁこんな感じなんです。
ちなみに日本国土の約70%は森林だそうでして、先進国の中ではその割合の大きさは世界3位だそうです。酸素豊かな国なんですね。
その「山林」も含めて不動産登記規則では23種類の地目を定めています。
どこのどの土地も必ずこの23種類の地目のどれかに該当します。
いまお話しているのは「登記記録の地目」ですが、「現況地目」というのも存在し、課税の基準となっています。今回は現況地目と登記地目の違いについては割愛しますが、
この地目の種類によって、固定資産税の課税価格が変わってきます、場合によっては非課税となり固定資産税が課税されません。
税金については専門外ですので、詳細は税理士さんに譲るとしまして、
続いて地目の定め方について説明していきますが、土地の地目はひとつの土地の現況及びその利用目的に重点を置いて、土地全体としての利用状況を観察したうえで、登記官が判断することとなっています。
つ・ま・り・です、土地の所有者さんが「私の土地の地目を〇〇に変えて欲しい」との依頼を受けてもその通りに出来ない場合があるのです。
土地の地目は今現在の「現況及び利用目的」で決まりますので、当然所有者さんの好きな地目へ変更は出来ないという訳です。自ずと現在の状況に合わせた地目にしか変更できないのです。
例外として「中間地目」という状態があります、少し難解ですが、実務上よく見る例ですので説明させて頂きます。
中間地目とは、将来違う目的で使用されることが推測される土地で、現況が一時的に別の目的で利用されている場合をいいます。例えば、登記簿上「山林」になっている土地に、建物を建てる目的で盛土して更地にした後、実際に家を建てるまでの短い期間、駐車場として仮利用している土地などがそうです。
本来、駐車場の地目は雑種地となりますが、この場合、近い将来宅地となることが明らかであり、雑種地への地目変更は認められません。
また、地目が「宅地」であった土地上にあった建物を取壊し更地とし、数年間放置し、草が生え茂り一見「原野」の様相を呈しているかの様に見えても、それだけで宅地から「原野」へ地目が変わったとは判断できず、この様な例の場合は、現況の土地の利用が本来的なものなのか、あるいは一時的な利用であるかについてこれまでの経緯、周囲の状況、関係人の証言等を総合し、最終的には登記官の判断に委ねられます。
またまた、現在の地目が「田」まはた「畑」の場合は、その土地を「宅地」や「雑種地」に地目変更するには農地法や都市計画法などの規制が働くため、これらの法規を考慮して慎重に判断しなければいけません。
またまたまた、現に建物の敷地となっていない土地は原則「宅地」とできないのに対し、更地(地目が原野)に住宅を新築しようとする際、住宅ローン融資の条件で地目を宅地にする様に銀行側から求められることが実務上多々あります。(建物がなくても地目を宅地とできる例外もありますがここでは割愛します)
これではニワトリが先か卵が先かという話です。
これまで述べてきましたとおり、地目の変更というのはとてもとても簡単に判断できるものではなく、個々に応じて慎重な判断が必要となります。
基本原則は土地の現況を優先するのですが、現況がそうでも中間地目という厄介な障壁が認定の判断の妨げとなり、専門家でも地目の認定に苦慮することが多々あります。
タイトルの答えですが、実際に現地へ行き現地調査をし、資料を調べ、所有者さん等関係者のお話を聞かないと判断できません、そして最終的に判断するのは登記官ということになります。
画像一枚では判断できないというのが答えになります。
今日はそんな難しい「地目」のお話でした、最後まで読んで頂き有難うございます。
松本土地家屋調査士事務所では業務多忙のため、補助者さんを1名募集しています。
私と働くのはきっと楽しいですよ~
先着1名ですよ~
給与・勤務日数・待遇については相談に応じます。
詳しくは求人ページをご覧ください。